2019年03月16日

報告します。 第103回 「川崎学びの会」 SV馬場英顕

第103回「川崎学びの会」の報告です。

元々は授業者から小3国語「モチモチの木」の授業を収録してほしいという要請を受けて訪問しました。ただ、一コマだけでは・・・と思い「もう一コマ収録できませんか?」と提案してみたところ、どうぞとあっさり承諾いただきました。それが算数「(合同な)三角形をしきつめてできる図形」の授業です。冬休み直前の授業だったので「道具箱」も持ち帰った後の授業でした。予定外の授業の記録ですので、全くの「普段」の授業です。

  1. 正三角形をしきつめてできる図形
  2. 二等辺三角形をしきつめてできる図形
  3. 直角三角形をしきつめてできる図形

について考え、終盤ではそれらを2個、3個、4個並べてできる図形についても追究していきました。

 くわしくは添付のパワポをごらんください。今回も皆さんにお送りします。(ブログには添付しておりません。ご了承ください。)

 よくみるのが「正三角形や二等辺三角形をならべて模様をつくる」業です。ヨットや風車、お花などにみたてられる図形を作る授業もよく見ます。

 それに対して本時は「三角形をしきつめてできる図形をみつける」とが課題になっています。教科書(教育出版)にある課題はその中間にあたるとでもいいましょうか。「121ページの三角形(正三角形や二等辺三角形)をすきまなくならべて、きれいなもようをつくりましょう」です。

 本時の「しきつめてできる図形」との違いがあまりピンときませんが、子どもたちの活動はかなり違います。本時のほうが「数学的」になるのです。そこに授業者特有の「ふわふわ」した雰囲気が加わり、それが子どもたちにも穏やかな雰囲気を醸しています。子どもたちが安心して考えているのです。注目したい「発見」をしても大声を上げる子はいません。身を乗り出すようしてどんな図ができるかを一緒に探しています。

 子どもたちは教科書の121ページにあるいくつもの正三角形や二辺三角形を切りとってすでに敷き詰めていろんな図形を作っています。敷き詰めた図を見ながら「六角形(正確には正六角形)ができる」とをみつけています。なかには合同な二等辺三角形をしきつめても六角形(正六角形ではない)ができることに気づいている子もいます。それを他の子につないで確かめているとき「(どんな三角形でも)ただしきつめるだけで六角形ができる」と発言した子がいました。それを受けて授業者が「直角三角形でもできるかな?」という課題を提起しました。

 この時、道具箱を持ち帰っていたことが障害になりました。子どもたちが合同な直角三角形をつくることができないのです。急遽授業者が6枚作った合同な直角三角形をしきつめて六角形を作ろうとしますが、なかなか皆が考えるようにはなりません。授業者にとっても予想外の展開だったのでしょう。

 小学校3年生の枠を超えた学びが生まれる可能性があった場面ですもし合同な直角三角形や合同な三角形をいっぱい切り取って用意しいたらかなり面白い展開になった可能性があります。

 だから授業は難しいし、また面白いのです。私自身は、授業者の「ふわふわ」とやっていることに隠れている大事な意義について考えさせられました。

 臨床心理学者の河合隼雄さんがクライアントの相談を「もつれた糸」に例えてお話しされていたのを思い出しました。「糸がもつれたとき、見えた糸口を強引に引っ張るとかえってもつれを深めてしまう。掌にのせてふわふわやっていると、やがてほぐれてくる」という主旨のお話しでした。

 今回の授業を振り返っていて「ふわふわ」することの意義と、ほぐれてきた糸の束から糸口を見つけ、そこに注目して追究するところに教育の専門家としての見識がかかっていることに気づきました。

 ただ「ふわふわ」やっているだけでは探究は深まらない。ほぐれ具合と浮かんできた糸口の意味を判断し、そこに子どもたちを惹きつけ、追究を深めていくには、子どもたちの「つぶやき」や発言に隠れた意味をとっさに判断するための「教科についての教養」が問われるのだと気がつきました。

 それは来年度の私のテーマにしたいことでもあります。

  文責 SV 馬場 英顕

posted by 川崎学びの会 at 15:32| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。