2019年02月24日

報告します 川崎学びの会 第102回月例会  SV馬場英顕

 2月15日(金)の第102回月例会では 中学校1年国語「クジラの飲み水」の授業を取り上げました。最近増えている、いわゆる「説明文」です。
 今回は事前にご希望がなくても勝手に当日私が途中でご覧いただいたパワーポイントの資料を添付しておきます。ぜひ多くの先生のお考えを聴かせてください。(※address登録をし、川崎学びの会より案内を送らせていただいている方のみです。ご了承ください。)
 「説明文」では何を学ぶのか?書いてあることが読み取れたらそれでよいのか?多くの先生が迷っています。学びの共同体研究会の全国大会でも授業事例をみたことがありません。
 よくあるのが、文を段落ごとに切って短冊にし、それを並べ替えて元の文に再構成するという授業です。今回取り上げた授業もそうです。
 しかし、今回の授業ではそこに一工夫されていました。文章の接続関係を示す「接続詞」が□(ブランク)になっているのです。そのために、接続関係をつかむには内容をある程度読み込まなくてはなりません。読み込んだ後で、接続関係がわかるように適切な「接続詞」を考える。そういう構想の授業でした。
 授業者が期待したとおり、子どもたちは段落ごとに切られた短冊の文章を何度も音読し、内容から元の文に組み立て直していきました。短冊がグループに一組ずつしかありませんが、ひとりぼっちの子は見当たりません。しかし、途中で気がそれた子がいました。それに気づいた先生がその子の横に立って声をかけ、グループの子につないでいるのがいいなあと思いました。
 一組しかない短冊を並んだ4つの机のどこに並べるか。中には独り占めするような子もいました。しかし、短冊を音読することがそれを補うという働きをしていました。
 途中で一人の男子の気がそれたグループがありました。それに気づいた同じグループの女子がその子に、今音読している次の短冊を手渡しして「次はあんたが読むんだよ」と参加をうながしている場面がありました。そういう子が育っているクラスなんだと感心させられました。
 そこまではよいのですが、何か物足りません。それは何か。肝心の興味深い内容の文を読んでいるのに、引き込まれるように読む雰囲気が感じられないのです。接続詞を除くという工夫が活きて、短冊に切って元の文に再構成するという、よく見る授業に比べると子どもたちは何度も音読し、内容をつかんでいっています。それなのにこの空疎感は何なんでしょう。
 「クジラは海に住んでいるにもかかわらず、飲み水をどうやって得ているのか?」という問題意識からしてこの「説明文」は驚きがいっぱいです。著者はそれを仮説を立てては検討し、一つひとつその仮説を消去して最後にたどり着いた結論を説明しています。ところが、その設定された問題にも、仮説を根拠をあげながら一つひとつ消去していく過程にも、最後にたどり着いた結論にも魅入られた子どもが見当たらないのです。
 筆者の説明を感心しながら読んでいると、疑問も浮かんできます。説明が足りないところもあります。でも子どもたちはそんなことに気づいてはいないようです。そこらあたりに大事なことがありそうです。説明文を読むことで何を学ぶのかということにつながるのは。
 石井順二先生は「好奇心」が大事だとおっしゃていたのを覚えています。本時の授業は、まさにその好奇心につながることだと私も思います。教科書の「説明文」を読んで「知」が拓かれ、知らなかった世界に出合い興味がかきたてられる、もとの文を読んでみたいと思う、関連する本を手にとってみる、わいてきた疑問について考えてみる。そういうことにつながらないと、言葉にふれただけでは学んだことにはならないのではないかと思います。
 でも、教科書にある「説明文」には「知」をひらくことにはつながりそうにない駄文もあるなあとも思います。物語文、文学作品を読むときは、書いてあることを理解してお終いではないはずです。書いてあることを読んで、書いてないことが見えるようになるところに魅力があるのではないでしょうか?自分が経験したことの意味を考えさせられたり、出会ったこともないことについて考えたりする機会になるはずです。そう考えると「説明文」の多くの授業には課題が山積みのよう思います。
 ぜひ多くの先生が「説明文」の授業を公開し、学び合っていきたいと思います。

 文責 SV 馬場 英顕
posted by 川崎学びの会 at 11:23| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月07日

第102回 「川崎学びの会」のお知らせ

 第102回川崎学びの会を次のように開催します。

 年度末の忙しい時かとは思いますが、月に1回の機会です。ぜひお出かけください。
 なお、テキストを添付しておきますので、できればそれぞれに読み込んできていただけると「深い学び」になるのではないかと思います。(蛇足ですが、テキストは他には転送しないでください)※こちらのブログ記事には添付しておりません。ご了承ください。
 1月には久しぶりにたくさんの方に参加いただき、浜之郷小学校の脇坂先生による5年社会科「開発か、環境保護か」の授業についてたっぷり学ぶことができました。
 報告が遅れていますが、近々報告します。

 今回は中学校1年の国語「クジラの飲み水」の授業をとりあげます。最近増えている、いわゆる「説明文」を読む授業です。
 「説明文」はどう読むのか?何を学ばせたいのか?書いてあることがわかったらそれでいいのか?等々と悩まれている方が多いようです。それに対して、学びの共同体研究会でも、あるいは東海国語教育に学ぶ会でも「説明文」の授業が取り上げられているのをみたことがありません。
 「わからない」とぼやいているだけでは何も解決しません。お忙しいとは思いますが、授業記録のビデオをもとに一緒に考えてみましょう?


1. 日 時 2019年2月15日【金】18:30〜20:30

2. 場 所 川崎市高津市民館 第一会議室 
  JR南武線「武蔵溝の口」駅
  東急田園都市線「溝の口」駅
  より徒歩数分。丸井の入っているビルの11階

3. 内 容 授業記録のビデオをもとにした事例研究

  授業事例 中1国語「クジラの飲み水」を読む

   文責 SV馬場英顕
posted by 川崎学びの会 at 07:31| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする