2018年10月27日

報告します。第98回「川崎学びの会」  SV馬場英顕

10月の例会では小学校5年生の算数「はやさ」の授業をとりあげました。

なお、今後の予定は次の通りです

 11月の例会( 99回)は11月30日(金)

 12月の例会(100回)は12月21日(金)

 1月の例会(101回)は浜之郷小学校の脇坂先生をお招きして休日に開催したいと考えています。

            
佐藤学先生が「圧巻です」とおっしゃった授業とカリキュラム開発です。

 「はやさ」は「比」「比の値」「割合」と並んでは子どもたちは苦手なようです。

 いつだったか若い数学科の先生がその授業で「き、は、じ」と唱えているのをみて「ん?」と思ったことがあります。「き、は,じ」は「距離」と「はやさ」と「時間」の関係を公式化して覚えやすくした言葉のようです。分数÷分数の計算で「割る数の分子と分子をひっくり返してかけるといい」と手順を覚えて遂行するのと同じ考え方です。いわば「やり方主義」ともいってよい指導で、算数・数学的なアプローチとはとてもいえそうにはありません。「速度」「比」「比の値」「割合」などはそれが登場する都度教えられていますが、意味もそれらの相互関係にもきちんとふれているとはとてもいえないのではないでしょうか。

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そのとき大切なのは「変わる量」の背景にある「変わらない量」に気づくことです。時間も変わる、距離も変化する。ところがその比をとると
いつも変わらない。その変わらない量が「速度」です。

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その「速度」も現実的には「平均速度」として考える必要があります。そのことがあいまいなままの授業のなんと多いことか。先生方自身が「比」「比の値」「割合」「速度」「密度」「濃度」などの相互関係を考えていないのではないかとさえ思えてなりません。チコちゃんじゃなくても「ボーッと生きてんじゃねえよ」と活をいれたくなります。教科内容の面では、今回の授業でもこの問題は払拭されてはいません。

 授業者は長く学びの共同体の実践に取り組んできた学校に転任してきて2年目の先生でした。長く「学びの共同体」の実践に取り組んできた学校に転任してきてそれまでの授業を見直し、授業改革に取り組んでこられたことがわかる授業でした。
 印象に残ったのは女の子の考えをよく聴いている。そのこともあって、教室が穏やかで落ち着いています。ハイ、ハイ競争もありません。授業が始まって5分ぐらいでグループ活動に移っており、子どもたちも共同して学ぶことに慣れています。
 後半の課題(アリ、ナメクジ、カメの速さを比べる)課題では電卓を使用し、計算よりも「意味」や「考え方」を大切にしようとした。電卓の利用をためらう先生が多いが、電卓を使うことで考えることに集中できることを大事にしたいと教えられる授業でした。

 とはいえ気になることもありました。
 「めあて」や「課題」の板書をノートすることに時間をとっているのが気になりました。もっと考えることに時間を使いたいものです。
 グループ活動の時「わからない子」が「わからない」と言えず、できている子は解決できると他の子に関わろうとすることが乏しいように思いました。知恵を絞って一緒に考える関係をさらに育てたいものです。それでいて、皆の考えを交流する場面になると苦手な子に注目し「わからない」といわせ、それをテコにして授業を進めようとするところがみられました。

 あ、そこに注目したらもっと深く考えたのではないかと思われる場面もありました。

 課題1に取り組むなかで「距離÷時間」を計算して比較している子が多いなかで、「時間÷距離」を求めて比較している子がいました。それに注目して「これでも『はやさ』を比べることはできるのかなあ。自分の式と比較してみて」と問うことで早期に後半の考え方についてふれることができたのではいないでしょうか?
 「違い」が生まれたときは深く考えるチャンスです。そのためには、子どもの考えに応じて臨機応変に学びを変えていく必要があります。
 本時では「時間÷距離」でも「はやさ」を比べることができることを課題2で扱おうというプラン優先の考えが背景にあったようです?

 私はライブで授業を見、その後ビデオでも何回か見ています。見直したから気づいたことがたくさんあります。ところが当日ビデオで一回見ただけなのに、子どもたちの関係性がうすいことを指摘する発言、子どもの着想をつなぐことが乏しいことに気づいた指摘がありました。すごいなあと感心させられました。
 川崎学びの会は間もなく100回を迎え、それを機に私はフェードアウトし、別の会員に運営をおまかせしたいと考えています。そうしないと続かないと思うからです。でも、先のような参加者の発言をきいていて心強く思いました。
 「主体的・対話的で深い学び」は授業の根本的な転換を要請しています。しかし、ほとんどの先生にはその経験が全くといってよいほどありません。だから「スローガン」が「呪文」が跋扈しているのでしょう。
「学びの共同体」と各地の「学びの会」には豊富な事例と経験を積んだ先生がいるはずです。選手交代を進めて「その先へ」進むことが必要です。
 「獺祭」という銘酒に「獺祭 その先へ」というラベルのお酒があります。杜氏のいないなかでデータを活かして銘酒を醸し、世界に進出している蔵元です。
 「その先」を目指して、「川崎学びの会」も一歩先に進みたいものです。
      文責 SV馬場英顕
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2018年10月19日

第98回 川崎学びの会のお知らせ

第98回「川崎学びの会」を次のように開催します。授業をテキストにして教師自身が学び合う経験を重ね、教育の専門家としての見識を磨き合いましょう。

1、 日 時 2018年10月19日(金)

    18:00〜20:30

2、 会 場 川崎市高津市民館 第一会議室

    JR南武線「武蔵溝の口」駅

    東急田園都市線「溝の口」駅

下車徒歩数分 

丸井の入っているビルの11階

3、 内 容 

ビデオ記録をもとにした授業の事例研究

    授業 小学校6年算数「速度」

 

佐藤学先生をお招きして9月に開催した「第7回 共催研修」(川崎市総合教育センターと川崎学びの会との共催)は多くの先生方のご参加を得て今回も成功裏に終えることができました。

心よりお礼申し上げます。

posted by 川崎学びの会 at 14:20| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする