2019年04月21日

第104回「川崎学びの会」の報告  SV馬場英顕

第104回「川崎学びの会」の報告です

 パワポの資料もほしいと連絡いただいている方には、当日の私のパワポの資料を添付しておきます。よろしかったらご覧ください。なお子どもが特定できる写真はすべてボカシてあります。事情をご賢察ください。
 ※ブログでは添付しておりません。川崎学びの会に参加していただき、アドレスと登録された方にメールでの案内と、会の報告を行い、希望者にパワポデータを添付しております。ご了承ください。

 中学1年の音楽:合唱「変わらないもの」を取り上げました。

・身体の中から(湧き出るように)声を出せるようにするには、発声練習は大事だと思う。
・授業者の教材準備が行き届いていて、授業者自身の歌声がきれいで感心させられた。
・後半、先生の説明が多くなったという意見が出たが、子どもたちがそれを受け入れている。先生と子どもたちとの関係ができているからだろ
 う。
・子どもたちの関係が素敵で、冒頭の細かい場面からもそれが滲んでいる。
 等々、子どもたちの学びの姿や小さなエピソードの意味を深く読んだ意見がたくさん出ました。
 授業者は今も定期的に大学に通い、声楽の指導を受けていると言います。学んでいると、それを子どもたちに伝えたくなってつい饒舌になってしまうものです。ことに音楽科では、先生は技術的なトレーニングを幼少期から積み重ねてきています。子どもと先生とのギャップが際立つ教科でもあります。今回もそれがどうしても滲んできます。そこを指摘する意見もあります。

・先生が『せつない感じ』といったが、子どもはそれに共感できたのだろうか
・前時の合唱の録音を聞いて気になるところを話し合い、その結果を交流する場面で、一人の女の子が的確な発言をした。そのときの先生の居
 方が気になる。
・冒頭の発声練習がおざなりになっていないか?前時の合唱の録音を聞いて「気になること」を話し合ったときに『地声で歌う一部の男子の声に引っ張られて歌が汚くなった』『出だしの“あ”が分かりにくい』など発声に関わる意見が出た。それを受けて発声練習したほうが、効果てきなのではないか?どこか授業がルーティン化しているところがあるなどの意見がでました。

 当日は提案授業の他に途中で次の2事例をみてみました
八千代市立睦中学校の音楽(「花の街」3番を、曲想を工夫して歌う)の授業のダイジェスト
音大の先生による川崎市立野川小学校4年生への合唱指導の授業のダイジェスト

ついでに
 今回の川崎学びの会は危惧していた通り参加者が少なく、とても心ぼそく感じました。

・新年度がスタートしたばかりの時期で忙しい
・学校の歓送迎会とぶつかっているところがある
 などが参加者が伸びなかった背景にあるかと思います。参加者からは「数ではありませんよ。中身です」と、当日のリフレクションの水準の高さを褒めていただきました。それはとても嬉しいことです。でも、そこに悩みもあります。常連の先生方の発言が深くなるほど、参加回数の少ない先生方とのギャップが生まれ、せっかく参加していただいた方のなかに「先生方が指摘されているエピソードが私には見えない」と、気おくれされる方がいるのです。
 誰もが気軽に自分の授業事例を持ち寄って、その授業で生まれているエピソードを見つけ、その意味解釈を交流する機会にできるといいなあと願っているのですが・・・

 文責 SV馬場 英顕 
posted by 川崎学びの会 at 16:32| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月14日

第104回 「川崎学びの会」のお知らせ

 第104回「川崎学びの会」を次のように開催します。

 新年度が始まって間もないときでもありますので、ひときわお忙しいことと想像します。
 しかし、そんなときだからこそ、多忙に埋もれず授業記録をもとに学ぶことを大事にできるといいなあと思います。
 ぜひお知り合いの方にお声をかけていただき、いっしょに学ぶことができればと願っています。

日 時 2019年4月19日(金)18:30〜20:30
会 場 大山街道ふるさと館 第2会議室
    JR南武線「武蔵溝の口」駅
    東急田園都市線「溝の口」駅または「高津」駅より徒歩約15分 
    大山街道(旧の246号線)沿いのコンクリート打ち放しの3階建ての小さなビル

内 容 中1音楽 合唱:曲想を感じて工夫して歌おう
    「変わらないもの」

 音楽科の授業には、美術、国語、体育の授業と共通するところがあります。大切なのは「子どもたちが音楽する」ことです。ところが体育と並んで音楽は教師が中心になる授業になりがちです。子どもたちの学びの姿をもとに、そこを考える機会にできたらいいなあと考えています。
 ついでに、当日のリフレクションに添える予定のパワポの一部を添付しておきます。
 ※ブログにはパワポデータを添付しておりません。ご了承ください。会に参加し、アドレスを登録された方に案内とともに送信しております。
  ぜひ「川崎学びの会」にご参加ください。
 文責 川崎学びの会 SV馬場英顕
posted by 川崎学びの会 at 19:24| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月16日

報告します。 第103回 「川崎学びの会」 SV馬場英顕

第103回「川崎学びの会」の報告です。

元々は授業者から小3国語「モチモチの木」の授業を収録してほしいという要請を受けて訪問しました。ただ、一コマだけでは・・・と思い「もう一コマ収録できませんか?」と提案してみたところ、どうぞとあっさり承諾いただきました。それが算数「(合同な)三角形をしきつめてできる図形」の授業です。冬休み直前の授業だったので「道具箱」も持ち帰った後の授業でした。予定外の授業の記録ですので、全くの「普段」の授業です。

  1. 正三角形をしきつめてできる図形
  2. 二等辺三角形をしきつめてできる図形
  3. 直角三角形をしきつめてできる図形

について考え、終盤ではそれらを2個、3個、4個並べてできる図形についても追究していきました。

 くわしくは添付のパワポをごらんください。今回も皆さんにお送りします。(ブログには添付しておりません。ご了承ください。)

 よくみるのが「正三角形や二等辺三角形をならべて模様をつくる」業です。ヨットや風車、お花などにみたてられる図形を作る授業もよく見ます。

 それに対して本時は「三角形をしきつめてできる図形をみつける」とが課題になっています。教科書(教育出版)にある課題はその中間にあたるとでもいいましょうか。「121ページの三角形(正三角形や二等辺三角形)をすきまなくならべて、きれいなもようをつくりましょう」です。

 本時の「しきつめてできる図形」との違いがあまりピンときませんが、子どもたちの活動はかなり違います。本時のほうが「数学的」になるのです。そこに授業者特有の「ふわふわ」した雰囲気が加わり、それが子どもたちにも穏やかな雰囲気を醸しています。子どもたちが安心して考えているのです。注目したい「発見」をしても大声を上げる子はいません。身を乗り出すようしてどんな図ができるかを一緒に探しています。

 子どもたちは教科書の121ページにあるいくつもの正三角形や二辺三角形を切りとってすでに敷き詰めていろんな図形を作っています。敷き詰めた図を見ながら「六角形(正確には正六角形)ができる」とをみつけています。なかには合同な二等辺三角形をしきつめても六角形(正六角形ではない)ができることに気づいている子もいます。それを他の子につないで確かめているとき「(どんな三角形でも)ただしきつめるだけで六角形ができる」と発言した子がいました。それを受けて授業者が「直角三角形でもできるかな?」という課題を提起しました。

 この時、道具箱を持ち帰っていたことが障害になりました。子どもたちが合同な直角三角形をつくることができないのです。急遽授業者が6枚作った合同な直角三角形をしきつめて六角形を作ろうとしますが、なかなか皆が考えるようにはなりません。授業者にとっても予想外の展開だったのでしょう。

 小学校3年生の枠を超えた学びが生まれる可能性があった場面ですもし合同な直角三角形や合同な三角形をいっぱい切り取って用意しいたらかなり面白い展開になった可能性があります。

 だから授業は難しいし、また面白いのです。私自身は、授業者の「ふわふわ」とやっていることに隠れている大事な意義について考えさせられました。

 臨床心理学者の河合隼雄さんがクライアントの相談を「もつれた糸」に例えてお話しされていたのを思い出しました。「糸がもつれたとき、見えた糸口を強引に引っ張るとかえってもつれを深めてしまう。掌にのせてふわふわやっていると、やがてほぐれてくる」という主旨のお話しでした。

 今回の授業を振り返っていて「ふわふわ」することの意義と、ほぐれてきた糸の束から糸口を見つけ、そこに注目して追究するところに教育の専門家としての見識がかかっていることに気づきました。

 ただ「ふわふわ」やっているだけでは探究は深まらない。ほぐれ具合と浮かんできた糸口の意味を判断し、そこに子どもたちを惹きつけ、追究を深めていくには、子どもたちの「つぶやき」や発言に隠れた意味をとっさに判断するための「教科についての教養」が問われるのだと気がつきました。

 それは来年度の私のテーマにしたいことでもあります。

  文責 SV 馬場 英顕

posted by 川崎学びの会 at 15:32| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする