2018年08月04日

報告します。第95回「川崎学びの会」 報告 SV 馬場英顕先生

第7回共催研修会のご案内

最初に9月23日(日)に川崎市総合教育センターと川崎学びの会が共同開催する「第7回 共催研修」会にお知り合いの先生方共々ご参加くださるようお願いします。

「主体的・対話的で深い学び」とスローガンを叫ぶだけでは何も変わりません。

ぜひ一緒に学びましょう。申込み方法については後日に別途お知らせします。

当アドレス宛に

  1. お名前 A所属 B希望される分科会(小、中、高等学校)を

明示してお送りくださるのがもっと簡単ですが・・・。

 

 95回川崎学びの会の報告

7月27日(金)に開催した第95回川崎学びの会の報告をします

事前に申し込みをいただいている方にはその日のまとめのパワーポイントの資料を添付しました。ネットにのせる都合で子どもたちが特定できる可能性のある写真はすべてボカシてあります。

なお、次回からも報告を希望される方は事前にその旨をお知らせください。報告するのは、あくまで月例会にご参加していただけるよう働きかけることを目的としていたのですが、あまり効果がなさそうですので共に学びたいという方に限定させていただきます。

 7月27日(金)は久しぶりに20名をこえる参加者があり、内容もとても充実していました。

授業の事例研究はその授業における子どもの姿から学ぶ

・子どもの発言、着想、つぶやき、エピソードを発見する

・発言、着想、つぶやき、エピソードの意味解釈を交流し学び合う

・その授業のどこに学びをさらに深める可能性があったかを学ぶ

・長い経験(児童・生徒・学生として。教師として)からついとってしまう「てだて」を見直し、子どもの学びをさらに深める「芽」をみつけ、それぞれに自分の普段の授業を見直す

・授業者自身が、自分の授業にあった可能性に気づき、「芽」がどこ にあり、それにどう対処すればよかったのかを学ぶところに意義があるのだと私は考えています。

今回は小学校6年生の算数の「円の面積」の授業です。

求積公式を導く(といってもかなり無理があるのですが・・・)授業にはよく出会います。しかし、この授業は違いました。正方形の各辺を直径とする半円を正方形の内側に描いたときにできる「花びら」ふうの図形の面積の求め方について考えました。

全体を模様のように眺めていたのでは課題解決の糸口はみえません

重なり合う図を分解し、ほぐしていくことが不可欠です。

図をいくつも配り、折ったり、切ったり、重ねたり、思いついたことを試すことができるように配慮されていることが、子どもたちの「大胆な」探究活動と対話をうながしていたところにまず目をひきました。

やがて「正方形の1/4の部分で考えればいいんだ」と気づいた子がいました。「正方形を半分にした長方形で考えればよい」ことに気づく子も出てきました。

しばらくすると、正方形と1/4円を重ねて余ったところに注目し,「この先がわからない」という子が出てきました。1/4円と直角二等辺三角形を重ねて、はみ出した三日月のような形に注目した子も出てきました。

いずれも「ここまでは分かったが、その先が分からない」と発言しました。

ここです。ここに問題解決に至る「芽」が出ているのです。そこをグループにもどし、問題の核心に焦点を当てていくと、探究がさらに深まっていくところです。

ところが、そこに教えなければ、教師が導かなくては、一時間でまとめなければ等々の伝統的な考えが出てきました。問題の核心に焦点が絞られたところでグループにもどすと学びはさらに深まったのではいかと考えさせられました。「もったいない」ことです。

それにしても、取り組み始めて2年目でこういう実践が生まれてきたこと自体が素敵です。

今後を期待したいものです。なんだか新聞の社説みたいな話になってしまいました。

 

事前に希望いただいている方は添付のPPをご覧いただければ、もっと具体的に感じていただけるのではないかと思います。

 報告 SV 馬場英顕

                 

posted by 川崎学びの会 at 10:36| Comment(0) | 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月20日

第95回「川崎学びの会」のお知らせ SV馬場英顕先生より

皆さまお忙しいようですね。でも「川崎学びの会」は月にたった1回です。どうぞちょっぴり無理しておでかけください。教育の専門家として磨き合いましょう。

 第95回「川崎学びの会」を次のように開催します。

 1.日 時 2018年7月27日(金)

    18:30〜20:30

    第1部は今回は設けません。

 2.場 所 川崎市高津市民館

    第一会議室

     JR南武線「武蔵溝の口」駅

     東急田園都市線「溝の口」駅

 より徒歩数分。丸井の入っているビルの11階

 3.内 容 

 ビデオ記録をもとに授業について学び合う

 授業事例 小学校6年算数

「円の面積:面積公式を利用して複雑な図形の面積の求め方を考える」

 4.その他

 玉川中学校の丸山先生の授業が「東海国語教育の会サマーセミナー(名古屋国際会議場で7月30、31日に開催)の中学校分科会で報告されます。

 中3理科:自由落下「風船をお盆にのせて落としたら」の授業で、以前に川崎学びの会で学んだ授業事例です。

 

授業事例を提供してください。このままでは先細りです。できれば同僚にビデオ収録してもらってください。そのために前回の「授業記録の撮り方」のパワポをお送りしたのですから。なお、相談していただければ、年内でしたら、私が収録にうかがいます。


 この先の予定です

    第96回「川崎学びの会」8月22日(水)

中学校の道徳の授業を取り上げようかなあ…

第97回「川崎学びの会」「第7回共催研修」

  9月23日(日)9:00〜16:30

  川崎市総合教育センター

第98回「川崎学びの会」10月19日(金)


    1. お薦めの本
    2. ・「戦国日本と大航海時代」平川新著 900円 中公新書

 まさに「目から鱗」の本です。日本史を世界史のなかで見るとこんなに違うのかと驚きました。例えば秀吉の朝鮮出兵。私は秀吉の異常な振る舞いかと思っていましたが、大航海時代の世界史のなかでみると全く違うということを教えられました。家康の鎖国は当時の「日本」の弱さのせいかと思っていましたがとんでもない。当時の世界を二分するスペインとポルトガルを畏怖させる「日本」の強さゆえのことらしいと知りました。

   ・「元素周期表で世界はすべて読み解ける」吉田たかよし著740円 光文社新書

 元素周期表がこんなに面白いとは思いませんでした。宇宙の成り立ちから地球の誕生、人体の成り立ちまでを統一的に理解する鍵が周期表にあることを教えられました。

いやあ、いずれにしても目が拓かれる思いがする本です。

報告をご覧いただいたときは、一言でもコメントをいただけると励みになるのですが……

 SV馬場英顕

posted by 川崎学びの会 at 17:17| 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月07日

第二部 報告します。6月の「川崎学びの会」 報告 SV 馬場英顕先生

報告します。6月の「川崎学びの会」

 今回は高等学校3年の「現代社会」憲法の授業をとりあげました。

 この学校では、1年生で扱う学校が多い「現代社会」を、生徒が社会に出る間際の3年生で扱っています。そこから先生方の真剣さと「社会に参画する市民を育てたい」という使命感が伝わってきます。

 「憲法を丸ごと理解しよう」というテーマで設定された本時に続き、約15時間扱いでこの単元が構想されているようです。

 本時の中心は、憲法、法律、条約、条令、省令、校則、家族の約束、二人の異性間の約束などをランダムに並べた「きまり」をピラミッド状の階層図に配置し、その上下関係を考えるところにありました。そこに生徒はけっこう夢中に取り組んでいました。

 各班の図に共通しているのが「公」と「私」に綺麗に二分されていることです。相違点は、「公」と「私」のそれぞれの中での上下関係です。

 この共通することを指摘し、境目に赤線を引いたのは先生でした。

 また、それぞれの相違点を列挙したのも先生でした。

 せっかく生徒が顔をあげて注目しているところなのに、もったいなかったなあ・・・。

 憲法が基本であることを憲法の条文から探したところも注目したいところです。

 生徒の間から「民主主義だから」という言葉が出ました。そこを他の生徒につなぎ、その社会を形づくっている条文につなぐと、さらに深まっただろうにとも思いました。

 本時の授業デザインづくりには何人かの方の応援があったとのこと。多くの方の考えを聴くのは素敵なことですが、最終的には、授業は自分の責任でデザインすべきだと私は思います。そうでないと子どもに責任を負うということからそれ、デザインに責任を負うということになりかねないからです。

 顔を上げ、他の考えに耳を傾け、生徒がのったのは、違いが話題になった場面でした。ところが、生徒が答えに窮し、沈黙すると「難しいか」と授業者が説明してしまいました。これももったいないなあ・・・。

 問いかけに生徒がのり、考えている間も先生が話し続けているのも気になりました。うるさいのです。

 授業の最後に、憲法で最も大切な条文だといわれる13条に注目しました。そして現行憲法にある「個人として尊重される」が、自民党の改憲案では「人として尊重される」とあることとを比較し、「どこが違うのだろう」と問いました。

「個人として・・・」と「人として・・・」どこが違うんだろう

 と生徒は戸惑っていました。即答できるほうが怪しいほどの考えさせられる問いです。

 せっかくの問いかけなのですが、ここでも生徒が沈黙すると「難しいか」と先生が説明を始めてしまいました。興味深い場面が生まれているにも関わらず、先を急いでしまった背景には「一コマ完結神話」が強く働いたこともありそうです。「憲法を丸ごと理解する」というテーマを、本時で完結しようとするあまり、先を急ぎ、授業者の説明が増えて生徒が考えることが少なくなってしまったのです。15時間から20時間をひとつのプロジェクト学習として構想し、要所要所でたっぷり考えるといっそう深い学びになるのではないでしょうか?

  もう一つ気になるのは、全体として生徒が今一つ乗り気でなかったことです。3年生になるまでにアルバイトなどを通して社会の様々な問題に出会っているはずです。なかには悩んだこともあるはずです。せっかく「現代社会」を3学年に配置したのですから、それらの経験につながる課題を用意すれば、それが法律や憲法、条令などに絡んでいることが理解でき、憲法や法律を自分の問題として学ぶことにつながったろうにと思うと、これまた惜しまれます。

 そんなことを考えていると、いくつか導入課題らしきものが浮かんできました。添付しておきますのでご覧いただき、ご意見を聞かせていただければありがたいのですが・・・

 事前に当日の報告がほしいと連絡いただいている方には、当日使用したパワポのコピー(生徒の顔が特定できる写真はボカシてあります)を添付しておきます。


 ともあれ、今回は参加者が13人。それぞれにご事情はあるのだとは想像しますが、いかにも寂しい会でした。でも内容は充実していたことだけは請け合います。虚勢を張っているのではありませんよ。

 次回は小学校6年の算数「円の面積:複雑な図形の面積を求める」を取り上げたいと思います。7月27日(金)に予定しています。 

報告 SV 馬場英顕

posted by 川崎学びの会 at 17:53| 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする