2018年04月22日

第92回 「川崎学びの会」第2部の報告  SV 馬場英顕先生

 4月20日の川崎学びの会の第2部について報告します。

 事前にパワーポイントの資料もほしいと申し込まれている方にはそれを添付しました。

 第2部では小学校3年 算数「不思議なかけ算」の授業をとりあげました。

 この日は久しぶりに30名近くの参加者がありました。
 
 中心の課題は

➊「21×36 の積と 12×63 の積を比べ『ふしぎなかけ算』について考える」です。

 最初に21×36=36×21(交換法則)を復習し、次いでそれぞれの数の 十の位の数と一の位の数を入れ替えた積ともとの積との関係について考えました。
 多くの子どもたちは等しくならないと考えていたのですが、計算してみると等しいことがわかりました。すかさず「なんで?」という声があがりました。そこから探究が始まります。

➋このまだクラスには、九九がまだ正確にいえない子がかなりいるようです。中には九九の表を手元に置いて考えている子もいます。



  21     12

 ×36    ×63

   6      6

 120     30

  30    120

 600    600

 756    756

 二つのかけ算を、通常は書かない桁を表す0を書くと上のようになる。
 この式を書いている子のノートを紹介し、板書したが、それ以上は説明せず、それを書いた子に説明を求めることをしないで、その意味を考えさせた。それが功を奏して子どもたちが夢中で考えたのではないかと思います。
 ここで板書(ノートに書かれていたことの転写)は思考過程を交流するメディアとしてはたらくことになったといえそうです。

❹45分の授業中、どの子も集中して考え続けました。
 計算ができればいいという風潮があるなかで、子どもたちが「なぜ?」と、かけ算に隠れた不思議な性質を追究することに夢中になったのでしょう。

❺気づいたことが発表されるたびに、みんなが身を乗り出すように聴き入る姿がとても印象的です。

❻やがて少しずつ見えてきました。

 上記の筆算の途中の式の内、1行目と4行目はいずれも6と600で同じ。二行目と3行目を比べると、登場している数は同じで、その置かれている場所が違うだけだということが発見された。
 その都度「今のことをグループで確かめて」とグループに戻し、見つかったことがどの子にも共有されるように配慮したところも素敵でした。

➐「こういう追究を経験すると、かけ算の見え方が違ってくるのではないだろうか」と感想が参加者から出ました。「筆算のよさが感じられたのではないだろうか」という意見も出ました。中学校の先生の中から「小学校3年生」にここまで考えることができるのかと感嘆する声も漏れてきました。

➑終盤で「二つの数の十の位の数と、一の位の数の積がともに6で等しい時にこういうことが成り立つ」という発見が登場しました。ところがこの前後でが迷走する場面があった。そのために追究がそれ、いくつもの着想、手がかりが共有できないまま、再び「手探り」に戻ってしまったのが惜しい。

 等々の考えが出て、とても充実した「ふりかえり」ができました。

                                                   SV 馬場英顕
posted by 川崎学びの会 at 22:11| 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第92回 「川崎学びの会」第一部の報告  SV 馬場英顕先生

 4月20日に開催した「第92回川崎学びの会」の報告です。

 まず第1部について報告します。

 第1部は、衝撃の図書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」 新井紀子 著 東洋経済新報社 刊 1500円

に注目し、そこに掲載されていた読解力調査の例題と正答率、読解力についての子どもたちの深刻な状況について考えました。
 調査問題例と正答率については添付のパワポのデータをご覧いただくとして、この深刻な事態に日々の授業が対処できていないばかりか、事態を悪化させている可能性があります。

 思い当たることを上げると・・・

➊ 事項を穴埋めすればすむワークシートの多用

 そういうワークシートは授業を効率化することは確かです。しかし、教科書や資料集を読んで要点を把握し、整理しているのはそのワークシートを作成した教師です。
 そういうワークシートのブランクに「事項」を書き込むだけでは、資料を読む力はもちろん、用紙を把握する力は育ちません。

➋ 伝統的な「板書事項」をノートに写す授業では当該学習事項の筋、論理を読み取り、要点を整理する力も育ちません。

 対処策として、同書で社会科の先生の取り組みがチョッピリ紹介されています。教科書を音読させるというのです。中学校や高校の社会科の教科書には、各ページの周りには写真、図版、グラフなどの資料が配置され、それをもとに本文が書かれています。

上記の➊や伝統的に続けられてきた➋の授業も、資料を読み込み、それを解釈し「筋」を組み立てるという、最も大切な過程は基本的に授業者がやっています。子どもたちはその結果をワークシートのブランクを埋めたり、板書事項をノートし、記憶するだけです。

 最も大切な「探究」も「思考」も貧弱なままです。

偶然ですが、この日は上の図書「AI vs 教科書が読めない子どもたち」によく出会いました。

・センターの所長に共催研修についてごあいさつに伺ったとき、所長も今同書をお読みなっているところだと知りました。

・学びの会の代表の地曳先生が持ってこられた毎日新聞の記事のコピーも同書を紹介していました。

・参加していただいた草川先生がネットで調べた資料を配られましたが、それも同書の紹介するものでした。

 SV 馬場英顕
posted by 川崎学びの会 at 22:04| 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月13日

第92回 「川崎学びの会」のお知らせ

次のように第92回「川崎学びの会」を開催しま。

 年度始めのチョウ多忙な時とは思いますが、月に一回の機会ですのでお知り合いの方をお誘いの上ぜひお出かけください。暇になるのを待っていたら学びの機会はいつまでたってもきません

 1.日 時 2018年4月20日(金)

第1部    18:00〜18:30

第2部    18:30〜20:30

 2.会 場 川崎市高津市民館 第1会議室 

・JR南武線「武蔵溝の口」駅

・東急田園都市線「溝の口」駅

下車 徒歩数分 駅前の丸井の入っているビルの11階

 3.内 容 ビデオ記録をもとにした授業の事例研究(1)第1部 「AI vs 教科書を読めない子どもたち」  新井紀子著 東洋経済新報社刊を手がかりに、教科書が読める読解力について考える。

(2)第2部 小学校3年算数「かけ算の不思議な性質を調べる」

川崎市内の小学校で今年の2月に行われた授業をもとに学びます。

 

おまけ

➊ 授業事例を募集しています。

  川崎学びの会に授業事例を提供してください。ビデオ記録をもとにみんなで授業づくりについて具体的に学び合いたいと思います。同僚にビデオを記録を撮っていただくのがいちばんですが、それが難しいときは連絡いただけれ馬場が収録にうかがいます。

➋ 川崎総合教育センターと「川崎学びの会」とで共催して開催している「共催研修」も今年度で7回をむかえます。

 「主体的・対話的で深い学び」が提唱されはじめましたが「具体的にどういうことなのかよくわからない」「そんなことが可能なのか」という声も聞こえてきます

 月例会や「共催研修」でのビデオ研修を通して事実をもとに考えてみませんか。今年も

9月23日(日)9:30〜16:30、川崎市総合教育センターを会場に開催します。今から予定に組み込み、お知り合いの方に声をかけてください。


posted by 川崎学びの会 at 18:16| 月例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする